10分でわかる!私流GarageBandを使った同期音源の作り方!

こんにちは!

今回は、私が時々作っている同期音源の作り方を解説してみます!

 

同期音源の作り方、結構よく聞かれるのですが、私の説明が下手すぎるのか用語が難しいからなのか、大抵腑に落ちないような反応をされるので、文章で解説します!誰でもわかる説明を心がけますので、ぜひ気になる方は読んでみてください!

 

 

 

 

 

まず、同期音源とはなんぞや?

同期音源を使った演奏というのはどういうものなのかというと、

あらかじめ作っておいた音を流しながら、それに合わせてバンドなり何なりで演奏する形のものになります。

 

例えばこんな曲…

 


[Alexandros] - Kick&Spin (MV)

 

[Alexandros]『Kick&Spin』という曲なのですが、この曲の出だしの、シンセっぽい音とか。明らかにメンバーが演奏しているわけではない音が聴こえるのですが、こういうのは同期音源を使うことで補っています。(多分)

 

あとはこれも!『Girl A』という曲。

 


[Alexandros] - Girl A (MV)

 

かなりのアーティストさんがこうやって同期を使っていると思われます。

 


SAKANAMON - マジックアワー 【MUSIC VIDEO & メイキング】

 

上の動画はSAKANAMON『マジックアワー』という曲ですが、これもかなりわかりやすいですね。

 

簡単に言ってしまえば、「バンドメンバーやサポートメンバーが鳴らしていないのにどこからか鳴っている音」が同期音源です。

「バンドメンバーでは音数が足りなくて薄くなってしまう」

「速いストリングスなど、いくらキーボードでもこんな動きはできない…」

「ボカロ曲のように、人間ではどうしようもない演奏技術が求められる」

こんな時に同期音源があると曲が形になりやすく、クオリティーも上がります!

 

 

「でもこんなの、プロとか、プロじゃなくてもガチで音楽やってる人じゃなきゃ無理でしょ…?」

そんなことないんです!実は、作ろうと思えば、結構簡単にできます

必要なのは、根気と慣れ!(と後に紹介する道具。)

それでは解説していきます!

 

 

 

 

 

同期音源を使った演奏って、どういう仕組みになっているの?

私が普段作っている同期音源は、ドラムの人がイヤホンをしてカウントを聞きながら演奏し、それに他のメンバーが合わせるというタイプのものです。

 

どういうことかわかりやすく説明しますね!

 

まず、観客側にはカウントの入っていない、いわば同期の完成形を聴かせています。

ストリングスやシンセサイザーなど、音楽ソフトを使って打ち込んだものをそのまま、観客側に流しているんです。だから特に違和感もなく音楽が聴こえているはずです。

一方、ドラムの方には曲のテンポに合わせたメトロノームのようなカウントを入れた音源が流れるようにします。

同期音源と演奏がずれてしまうと曲として成立しなくなってしまうので、リズムの要であるドラムの方にはこのカウント(クリック音とも言います)を聞いて正確に叩けるよう練習してもらいます。ドラマーは頑張れ。

そうそう、ドラムの方はイヤホンをして叩く形になりますね。

 なぜイヤホンをして叩かなければならないのか?同期の音自体を聴けばいいんじゃない?

と思うかもしれませんが、スピーカーから音が出て、自分の耳に入ってくるまでには時間がかかるのです。そのため、ドラムのところに座って同期の音を聴きながら叩くと、観客に聴こえる同期とバンドの演奏にタイムラグが生じてしまう可能性があります。このタイムラグを埋めるためにクリック音を使って演奏してもらうのです。

 

ドラム担当の人が同期音源を作るのが1番良いと思います。強要はできませんけどね。

自分が聞こえやすいクリック音に調整できるし練習もしやすいので、ドラマーの方には是非頑張っていただきたい…。ちなみに私もドラム担当です。

 

話が少し逸れましたがまとめましょう!

【同期音源の仕組み】

①観客側に完成形の音源を流す!

②ドラマーの方にクリック音が鳴るようになっている音源を流す!

③ドラマーはイヤホンをしてクリックを聞きながら正確に叩き、それに他のメンバーも合わせる!

④同期と演奏が噛み合って、音の厚い演奏ができる!!

 

 

 

 

 

どうやって同期音源を作るの?

私の完全なる独学と試行錯誤の結果なのでもっといいやり方はあるかもしれませんが、とりあえず私がいつもやっている方法を紹介します!

 

まずは音楽ソフト!

私は普段からMacBook Airをを愛用しているので、Macに初めから搭載されているGarageBandという音楽ソフトを使っています。勿論、普通に買うこともできます。

とにかく、まず1つ音楽ソフトを手に入れるところからです。

私はGarageBand以外はやったことがないので、ここではGarageBandで音源を作るということで話を進めていきます。でも他もそんなにそう大きく違わないのではないかなと思っています。 

いやーでもこれが無料で入ってるMacはやっぱり最強だと確信しますね!!

 

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GarageBandはこんな感じです!準備OK!!

 

打ち込んでいこう!!

ソフトが準備できたら必要な音を打ち込んでいきます!

譜面に沿ってでも良いし、アレンジを加えても良いですね◎

テンポを設定し、使いたい楽器を選んで、録音したり手動入力したり、やりやすい方法で曲を作っていきましょう。

こういう時にシーケンサーみたいな外付けキーボードがあると便利なんですよね。

私は持っていないのでPCのキーボードで地道にぽちぽちやってます…。

 

結構音を見つけたり作ったりするのが大変なんですよ…。GarageBandは楽器やシンセも勿論多様なんですが、エフェクターもかなりいろいろ搭載しているので、そういったエフェクト関係もいじり始めるときりがなくてですね…。でも理想としていた音が見つかった時の嬉しさは尋常じゃない!

 

ちなみに下の写真は、私がつい最近まで制作していた同期音源の一部です!

  

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隠れてしまって見えませんが、ここには音が15種類くらいあります、実はこれに収まりきらない、というか、これ以上音とエフェクター諸々を組み合わせるとPCが落ちそうだったので、さらにGarageBandのファイルを何種類か(録音やコーラス、エレキギターなど )立ち上げ、分けて入力した後に1つの音源にまとめました。結局20以上は音があったと思われますね。大変でした。

横にこっそりメモ帳機能がついてるんですが、長い曲だとここに「〇〇小節目からAメロ」みたいなことを書いておけるのでとても重宝します。

強弱もつけられるので、抜かりなく調整しておきましょう!

あと、最初と最後は若干余裕を持たせておくことをおすすめします。2小節くらい空けて打ち込み始めるのが良いかと思います。

 

追記(2017.06.16)

譜面に書いてある音や入れたい音を入れ終わったら、1回mp3などの形で保存しておくことをおすすめします。クリックを入れる時に音量を完全にRLに振らなければならないので、ここで作った音量バランスが失われてしまいます。(詳しくは次の段にて)

 

打ち込み終わったら…

「譜面に書いてある音、自分が曲の中に盛り込みたい音は全部打ち込み終わった!」

お疲れ様でした!これで作業の8割方はおしまいです!

でも!実は、この先とても重要な作業が1つあるんです。

それは…

クリック音を入れること!

先ほど説明したように、同期音源を使って演奏するにはドラム担当の人が聞いて合わせるためのカウントが必要不可欠です。ではこのクリック音、どうやっていれたら良いの??

 

ドラム用カウントの入れ方!

音楽って、左右で流れているものが異なっているのをご存知ですか?

イヤホンやヘッドホンで音楽を聴くことをイメージしてもらえればわかりやすいかと思いますが、実は左右で音量バランスや鳴っている楽器が違うんです。

ピンとこない方は下の曲を聴いてみてください!米津玄師『ゴーゴー幽霊船』

 


米津玄師 MV『ゴーゴー幽霊船』

 

右と左で聴こえるボーカルの声や楽器の音量が違うのに気付きましたか?

あとはAqua Timezの『Velonica』とかNICO Touches the Wallsの『マトリョーシカ』とかも顕著に違うので、ぜひ聴いてみてください!

 

この「左右で流すものを変えられる」という性質を利用してカウントを入れます!

 

まずカウントが入っていない、打ち込みが終わった音源をMP3など音源として聴ける形に書き出します。GarageBandでは、iTunesで共有ですね。

そこからまた新たに音源ソフトのフォルダを作り、先ほど共有した音源をオーディオという形で追加します。

オーディオの他に楽器(ドラムとかパーカッションが良いです)のトラックを作り、テンポに合わせて4分音符で打ち込んでいきます。これがメトロノーム代わりになっています。音はドラムキットのスネアドラムとか、パーカッションのクラベスなんかが聞こえやすいですかね。小節の頭にアクセントをつけるなどの工夫をしておくと、ドラマーがわかりやすくて助かります。

同期音源が鳴り始めるまでの数小節にもカウントをしっかり打ち込んでおくと良いです。

 

曲の終わりまでしっかりカウントを打ち込み終わったら、左右に音を分岐させます

ボリューム調整のつまみがあるかと思いますので、それをRとLに振り分けます。

自分がわかる方で構わないので、「ドラム側に流すクリック」と「観客側に流す音源」を完全にRLに振ってください。これを振り切らないと、カウントが観客側に聞こえてしまうことがあります。

 

文で読んでもなかなかイメージがわかないと思うので、↓の画像にまとめておきます!

これは私のいつもの方法で、観客側をL、ドラム側をRにしています。また、念のためドラム側にも観客側と同じ音源を、音量を落として流しています。

 

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 ここまで出来たら再び音楽プレーヤーで再生できる形に落としてみましょう!

イヤホンをつないで、左右でうまく違うものが流れるようになっているか確認してみてください!

 

 追記(2017.06.16)

上の画像がわかりやすいですが、このように打ち込んだ音源(観客側)とクリック音は、同じプロジェクト内で作るのではなく、別にした方が良いです。先ほども書いたように、同じプロジェクト内で進めてしまうと、最終的にはボリュームを完全に振り切らないといけなくなります。そうすると、せっかく楽器ごとに強弱をつけても反映されなくなってしまいますので注意が必要です!

 

 

 

同期音源を流すのに必要な機材

私がいつも使っている機材を紹介します!

類似機材はたくさんあるので、サウンドハウスさん等取り扱っている店舗を見ていただいて、「これだ!」というものを用意していただければと思います。

必要な機材は3つです!

①音楽プレーヤーの音源を分岐させるコード

②クリックの入っていない「観客が聴く音源」を流すためのコード

③クリックの入った「ドラマーが聴く音源」をイヤホンと繋げるためのコード

 

 

①音楽プレーヤーの音源を分岐させるコード

「HOSA(ホサ)/YMM261」というYケーブルを使っています。

www.soundhouse.co.jp

 これを使って観客側とドラム側の音源を分けます。

端子のサイズは3.5mmです。3.5mmのプラグを音楽プレーヤーのイヤホンを挿すところに入れましょう!

このケーブル、どっちがカウントありでどっちがなしなのか、わからなくなってしまうことがあるので、わかりやすい目印などをつけておくことをおすすめします。

 

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私が使っているのはこういう感じで、ドラム側の方に「Count」と書いたマスキングテープを貼っています。

 

 

② クリックの入っていない「観客が聴く音源」を流すためのコード

「audio technica(オーディオテクニカ)/ATL465A/1.5」というコードです。

www.soundhouse.co.jp

これは写真を見ていただければわかると思います。

 

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 片方が3.5mmのプラグ、もう片方が6.3mmのプラグです。片方ずつ大きさが違うのがポイント!

使い方としましては、まず3.5mmプラグを①の観客側の音源を流す方に繋ぎます。観客側の方ですよ!!そして反対の6.3mmプラグをアンプやミキサーに繋ぎます。これで観客側に聴こえる音は流れるはずです!

 

 

③クリックの入った「ドラマーが聴く音源」をイヤホンと繋げるためのコード 

こちらは「HOSA(ホサ)/MHE123」というケーブルです。

www.soundhouse.co.jp

これは単純に、イヤホンの延長コードみたいなもの。3.5mmから3.5mmへ繋ぎます。

音楽プレーヤーとドラマーの位置が離れているとイヤホンが届かないため、このようなケーブルを使うのです。

ここで紹介しているのは7.5mというとても長さの長い商品です。これだけ長さがあれば安心だと思います。

①のドラマー側の方に繋ぎ、さらにイヤホンを繋げば完成です!

 

 

 

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全部繋ぐと上の写真みたいになります。長すぎる③のコードは割愛してます。

 

これで同期音源を使って演奏する準備は整いました!!Let's play!!

 

 

 

 

 

演奏してみよう!

演奏する時のポイントは、第一にドラムがしっかりとクリック音に合わせて叩くこと!

これができないと曲は成立しません。

そして他の楽器の人は同期音源に合わせるのではなく、「ドラムに」合わせること!

スタジオ規模では問題ありませんが、ライブハウスになるとズレが生じる可能性があります。

 

あとは私の体験談ですが、ドラム担当の人は皆にどう聴こえているのかわからないんですよね。叩いている本人はイヤホンをしているため、曲の完成形を自分の耳で聴くことができません。

なので、ドラマーが同期音源を作った際には、どう聴こえているのか、音量バランスなど改善するべき点はどこか、こういったことを指摘してもらえると助かります。

修正は適宜行って、よりクオリティの高い演奏を目指しましょう!

 

追記(2017.06.16)

一点大事なことを書き忘れていました…。演奏する時の注意点として補足です。

特にiPhoneなど携帯・スマホ類に音源を入れる方!必ず演奏中は機内モードにしておいてくださいね!!もしメールや電話等を演奏中に受信してしまうと、音源が止まってしまう可能性があります!!練習・本番では必ず機内モードで再生!!これをお忘れなく!!

 

 

  

応用編!

今回は特別に!応用編も載せておきます!

ここで紹介するのは、

「ドラマー以外の人にもクリック音を聞いてもらう」演奏のしかた!

どういう時に役立つかというと、曲中にドラムが叩かない部分がある曲をやりたい時です。

この方法を使えば、全員がクリック音を聞きながら演奏することもできるはず。

使うのはこちら!

belkinのROCKSTARという「スプリッター」です!

 

www.belkin.com

 

スプリッターとは1つの音楽プレーヤーを複数人で共有して聴く時に使う道具です。

これを先ほど挙げたこの図の…

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①と③の間に挟んで接続します。

 

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本当はイヤホンとスプリッターの間にHOSA/MH123の延長ケーブルがありますが、ここでは割愛してます。

 

こうすると、2つのイヤホンからクリック音を聴くことができます。

このbelkinさんのスプリッターはジャックが全部で5個あるので5人までは共有できそうです。延長するケーブルを手に入れられれば、大人数でも対応できそうですね。

ちなみにこのスプリッターは1700円程度と意外と手頃なお値段です◎

 

実際に先日この仕組みで演奏してみたところうまくいきましたので、ぜひ挑戦してみてください!

 

 

 

 

 

最後に…

同期音源の制作方法や流し方の解説は以上です!

 

最後に、なぜこんな記事を書いたのかということを少しお話します。

私は一昨年くらいから同期音源の制作を任されるようになったのですが、いかんせん情報量が少ない。まとまって書かれているサイトが少なかったり用語が難しかったり、初心者の人間が挑戦するには少しハードルが高い世界だなと思いました。

私はちょっとくらい難しくても諦めない、執着心だけが取り柄の人間なので、折れずにちょっとずつ、本当にちょっとずつですがわかるようになりました。でもそんな物好きなんて多分少数派です。

同期音源を使った演奏は面白いんです。取り入れる価値は十分にあると思います。だって、憧れのミュージシャンの演奏に近づけたり、自分でオリジナルの音源を作ってSEにしたり、音楽の幅がとても広がるんですよ。

でも「サイト見ても何言ってるのかよく分からない」「なんか難しそうだな…」と踏みとどまってしまう人が多いのではないかなと感じていました。せっかく学生でも、初心者でもできるような方法があるのに、挑戦しないのは勿体無い!

ということで、そうやって「難しそう…」と踏みとどまっている方の手助けになれれば良いなと、自分が未熟ながらも習得してきた方法を記事にして、誰かの音楽活動を豊かにできたら嬉しいなと、こういった形でブログに書いてみました。

 

 大変な部分もありますが、バンドと同期音源がピタリと合った演奏ができた時には感動しますし、達成感も半端じゃないです。

 

ぜひ、同期音源を使った演奏、挑戦してみてください!

私ももっともっと精進していきます!

 

長々と読んでいただき、ありがとうございました!

 

 

 

 

 

告知!(2017.10.19)

ただいまこの『Sounds Good!!』では、見てくださった方が参加できる企画を実施しております!

毎年管理人の私がその年に気になった音楽を紹介する企画、

「今年の音楽総まとめ!」

を行っています。

その中で、ぜひ皆さんにも2017年響いた音楽を教えていただきたいと思っています。

詳しくはこちらの記事に記載しましたので、ぜひご一読ください!

 

soundsgood.hatenadiary.jp

 

 

また、アンケートボックスにも同様の注意事項を載せておりますので、こちらからも投稿できます。リンク先に投票フォームがありますので、ぜひ、ご協力をお願いいたします!!皆さまのご参加、お待ちしております!!

 

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