こんばんは。『Sounds Good!!』管理人の真珠丸です。
最近ハマっているものの話をしたい。
『Pokémon LEGENDS Z-A』というゲームの話です。今年10/16に発売されたポケモンシリーズの最新作。
LEGENDSシリーズは、ヒスイ地方(今のシンオウ地方)を舞台にした『アルセウス』に続き2作目で、このシリーズは従来のポケモンシリーズと違ってアクション要素に重点が置かれており、より臨場感のあるバトルが楽しめ……
みたいな説明はまあ置いておいて。
今作の説明だけを端的にすると、カロス地方のミアレシティというひとつの街(現実でいうとフランスのパリが舞台)に観光客として降り立った主人公が、ミアレシティで起きるいろんな事件に巻き込まれていく、という話です。ちなみにカロス地方というのは旧作XYの舞台で、その5年後の話が今作となっております。フラダリを中心としたフレア団が優生思想、選民思想を掲げて「フレア団以外の人間を抹殺する」というとんでもない計画を企て、それが当時の主人公らによって阻止された、あれから5年後です。
とりあえずストーリーを全部クリアした感想。
めちゃくちゃ面白かった。ポケモン、最新作がちゃんと「1番面白い」のすごすぎる。
以下、堂々とネタバレするので、不快な方はクリアしてからまたお越しくださいませ。発売されて2か月くらい経つし追加のDLCも来週くるので、どうかご容赦を。

ワンクッション置くために私の旅パでも置いときます。
まず、SV(スカーレット・バイオレット)の時も思ったんですが、最近のポケモン、ストーリーが面白い。正直、ポケモンにストーリー要素ってあんまり求めていなくて、イケてるポケモンとなんかいい感じのキャラがいればそれで成立していたというか、かつてはそんな感じだった、個人的には。ストーリーとしては、悪党が出てきます、そいつらを倒します、ジム制覇して殿堂入りします、おしまい、みたいな。バージョンによって付加要素はあれどある程度決まったテンプレで話が進んでいたのが、Switchに入った頃、つまり剣盾(ソード・シールド)のあたりから風向きが変わってきた感があった。
SVはその真骨頂ともいえる形だったなと思う。「青春」をテーマにパルデア地方を行き来するその自由度の高い冒険、個性的なたくさんのキャラクター、そして何より、「悪」のないストーリー。このストーリーの面白さがSVの1番の特徴だったんじゃないかと思っています。
いや、これはもう、文句なしで1番面白かった。ハッサク先生とかいう私がめっっっちゃくちゃ好きそうなタイプのキャラもいて案の定どハマりしたし。
これは完全なる余談ですが、私が今までポケモンでどハマりしたキャラには共通する特徴があり、簡単にまとめると「余裕のある強キャラの素敵なおじ様」なんですけど。まあこの話は後で効いてきます。多分ね。
そんで、ZAの話をしよう。
ZA、テーマは「共生」である。めちゃくちゃネタバレだけど、最後にFことフラダリが全部代弁してくれる。
まずZAはカロス地方ということで、ポケモンバトル的一番の目玉は「メガシンカ」。
メガシンカというのは、対象ポケモンにメガストーンという持ち物を持たせると、自分の持つキーストーン(主人公はバングルだが、人によってペンダントだったりバッジだったり指輪だったりする)と反応して一定時間ポケモンが特殊強化されるという仕様。これは人間とポケモンの絆によって引き起こされるものだそう。
そしてポケモンとの共生という点で言うと、街の至る所にホロで区切られた「ワイルドゾーン」というものがあり、これが従来でいう「101番道路」みたいな、野生のポケモンを捕まえる為の場所となる。街の中に野生のポケモンがいるのである。その共生方法については人によって賛否両論、いろんな考えがあるらしいが、それはさておき、要は、街の中にトレーナーが持つポケモンも野生のポケモンも共存しているということになる。
そして人と人の共生。正直これが一番難しいと思うのだが、これがねえ…本当に描写が上手だった。ここからはいろんな人間キャラの話をしますね。
ミアレシティには本当にいろんな人がいるんですよ。まず主人公が初めに出会い、活動を共にするMZ団の面々。 それぞれいろんな夢や思いを持ってミアレにやって来ました。AZさんが経営しているホテルZで生活するのですが、AZさんにもいろんな秘密があり。
主人公はバトルの腕を買われて、ZAロワイヤルというものに参加し、一番上のAランク、最強のメガシンカ使いを目指すことになりますが、そこで出会う面々はもうカオスの極みで。(このあたりの仕組みは従来のジム巡り&四天王的な感じ)
ロワイヤルのランクアップ戦で戦う相手、通称上位ランカーには必ず補佐役がいるんですが、その人らも含めて、交流することになります。でね、私「主人公を介さない、キャラ同士の関係性」ってものがめちゃくちゃ好物でして。この上位ランカーと補佐役の関係性がめちゃくちゃ良いんですよね。タイプで言うと、上位ランカーのタイプを補佐役が無効化する関係性が基本。多分そういう構成にすることで上位ランカーをより「強者」として描いているのかな、という。そしてね、この2者の間にはあるんですよね、いろんな形の絆、いや、愛と言ってもいいかもしれない、そういう絆が。ありがとうございますマジで。そういうの大好き、一番好き。
すみません、話を続けましょう。
炎上系配信者のカナリィ(でんき)、それを見守るおじいちゃんのタラゴン(じめん)。これはもう紛うことなき家族愛でしょうね、カナリィが最後おじいちゃんの心配しててそれが涙腺にきた。
ジャスティスの会という、「ワイルドゾーン撤廃」を掲げる急進政党的な団体の始祖、シロー(かくとう)、その妹のムク(ゴースト)。ムクは、話聞かない馬鹿力の兄に辟易としている部分はありながらも、やはり最後の部分では兄に「自分に任せて、先に行け」と言う部分があってね…美しき兄妹愛…。
街の汚れ役を買って出る反社会的組織っぽく見える団体サビ組のボス、カラスバ(どく)と組織のNo.2、ジプソ(はがね)。ジプソはカラスバに対し「心酔と忠誠」という感情を持ち、カラスバは「頼れる右腕」(カラスバは眼鏡を上げるとか髪をかき上げるといった基本動作が左利きなのも効いてる)として今ではジプソを信頼しています。このサビ組というやつら、多分公式お気に入りキャラ(カラスバが超優遇されている、気がする)で情報供給がやたらめったら多い。
ミアレソシアルバトルクラブ、通称MSBCのお嬢様、バトルジャンキーなユカリ様(フェアリー)とそのメイドのハルジオ(ドラゴン)。ここは相性関係が逆転しており、ユカリが120%ハルジオを支配しているのだが、これはもう「主従関係」と「束縛」というとち狂った愛情で繋がれている。
この後にグリとグリーズという覆面キャラが出てくるのだが、ここもかなり闇が深い。彼らはフレア団の2世として「灰色の青春」を送った人間たち。フラダリのせいで名前を名乗ることが許されない日々を送る彼らは、人生を取り戻すため、「アンジュ」を起動すべく最高のメガシンカ使いを目指しているのでした。という感じなのだが、この2人は関係性こそ明示されていないものの、痛みを分け合って生きてきた、お互いを必要とし合う「同士」なのだと思った。
あまりにも個性的が過ぎるので長くなってしまったが、こんなハチャメチャな大人たちが次から次へと出てくる。しかもこの大人たち、結構重たい感情を主人公に向けてくるのである。特に後半3人がね。SVで出てきた素敵な大人も爽やかな青春も、ここにはない。バカでかく激重い感情渦巻くマッドシティである。
そんな、置かれた立場も生い立ちも考え方も全然違う人間たちが、最後の最後に主人公たちMZ団と結託する。
MZ団は度々「作戦会議」なるものを開いているのだが、最後の「アンジュの暴走」のところでは、この上位ランカーたちも交えて皆で会議する。この会議ではカラスバが「説明よりも状況把握が先」みたいなことを言うのからも察する通り、恐らく全員何がどうしてこうなったかということは正確には把握できていない。ただ、自分にとって大切な「ミアレという街を守りたい」そのひとつの思いだけで、全員が力を合わせるのである。
この後に待つのは、暴走メガシンカしたポケモンを相手に、上位ランカーたちと共闘するという神ストーリー。ここでも余談だが、私はよくアニメの最終回とかにあるあの演出、「過去に戦ったキャラが次々と走馬灯のように登場する」やつが本当に本当に大好きなので、もうここの演出を見てしまってからはゲーフリに足を向けて寝ることが許されなくなった。本当にありがたい。ありがたすぎる演出。
アンジュの暴走を止めるところで本編は終わるのだが、私はその後のスタッフクレジットでボロ泣きした。皆で協力し合って街の復興を支える映像が流れるのである。「共生」って簡単な言葉だけど本当に難しい。リアルでもSNSでもあっちこっちで潰し合いが散見される現代において、かなりタイムリーなテーマだと思う。自分と違う人と一緒に生きていくことって難しい、でも素晴らしい。結構社会に切り込んでるなあという印象を持った。
ボロ泣きと言えば、本編後も話は続くのだが、そのクライマックスのひとつであるフラダリ戦、そしてジガルデとのバトルの後のフラダリの話でも画面が見えなくなる程泣いた。
フラダリはこんな話をした。
「(5年前の)私のやり方は間違っていた」
「ものを与えるのではなく、それを得る方法を教えるべきだった」
情緒、ハチャメチャである。
1つ目の言葉はグリへの謝罪。2つ目の言葉はカラスバへの肯定。(カラスバは身寄りのない子どもの頃、恩人であるフラダリからの援助を受け、それを元手にして商売をしていた。)そう受けとった。
今作どう頑張っても救えないキャラだと思っていた2人への救済の言葉。いや本人に言ってくれよと思うが、これが聞けただけでもう良かったとすら思った。主人公特権である。
ただね…カラスバは確かに奇跡的に賢かったから、フラダリが教えを施さなくてもその仕組みに気付いたんですよね、でもその結果がサビ組という反社会的組織なんですよね。ねえ、どうすればカラスバは、日向を歩ける人生を送れたんですか?
グリはフレア団2世として生まれてしまった以上、もう「普通の人生」を送ることは許されないんですか?
この2人、どうすれば良かった?を突き詰めていくと、「生まれた」ところで既にもう…という結論に至ってしまって本当に救いようがない。なんでひとつの作品にこのタイプが2人もいるんだ。そしてまた、グリは「自分の人生が『間違い』であったとしても絶対に『正解』にしてやる」という強い意志がある(あった)のに対し、カラスバの方は「自分には『間違い』の道しか与えられていない」という諦め半分で生きているというのがとってもしんどい。網羅するな、このタイプのキャラを。
これが多分名前にも表れていて、闇に染まった「カラスバ」(黒)、清廉潔白な「シロー」(白)、どちらにもなりきれなかった「グリ」(灰色)というところだろうか。どうやったらこんなしんどい設定が思いつくんですか?すごいよね。(キャラの設定なんてしんどければしんどい程いいですからね)
ついでに言うと、カラスバとグリはフラダリを中心として、対極に位置する存在だと思う。カラスバは「フラダリのおかげで今がある」、グリは「フラダリのせいで今こうなった」という感情を抱えている。だからね、その2人に言及するような言い回しをしているのは、やっぱり彼らにとっての救済だったのかなと考えてしまうわけです。
キャラクターがよく作られてるよな…と感心してしまいます。人間キャラね。
今作は特に、出てくる人全員「一長一短」だと思っていて、それぞれいい所もあれば悪い所もあるという描かれ方が本当に緻密にされているなと思います。私は中盤くらいまで、「今作推しは一択だろ」と思っていたのですが、終わった頃にはもう全員大好きで、ただならぬ愛着が湧いてしまった。なんなら画面の向こう側だってのに、「出会えて良かったありがとう」という気持ちになった。
そろそろ私の推しの話でもするか。
今作はやっぱりどう足掻いてもカラスバに傾かざるを得なかった。無理だった。すんません。公式の思う壷。悔しいマジで。7月に先行公開された時、めちゃくちゃ話題になってたけど、個人的には正直何とも思っていなかったんです。本当です。私は先述した通り、「余裕のある強キャラの素敵なおじ様」が好きなので、「顔の良いお兄さんお姉さん枠」には微塵も興味がない。カラスバの持つ属性、関西弁、小柄、色白、どく使い、反社、眼鏡。1個も特段刺さるものはない。そうなんですよ、そりゃそう、このキャラの本質、そこ(飾りの部分)じゃなかったんですわ……。
カラスバ、ストーリーでのファーストインプレッションは本当に最悪で(最高でもある)、サビ組から金を借りたガイ/タウニーがいつまでも返さず利子が膨らむので何とかしろと脅しをかけタダ働きを強要してくるんですよね。これも割と意見分かれているっぽいが、ミアレを裏から守る組織サビ組として、ホテルZとMZ団が怪しい(急に活動を始めたので)と目を付けたから高利貸しをふっかけて接触を図ったってところでしょうねえ、名義はミアレのためという善意であれ、手段は選ばないのがサビ組のやり方なので。
カラスバはかなりお喋りで(ただどこまで本心かは図りきれない)、結構自己開示もしてくれます。フラダリのことも教えてくれる。ランクアップ戦の前に共闘もさせてくれる神仕様。
ミッションの内容に細かく触れ出すとキリないので適当に流しますが、カラスバとのイベントのテーマには多分「正義と優しさ」みたいなのがあると思いますね。初めに会った時は「オレは『優しい』から譲歩してやっている」と言うが、共闘の前で主人公が「優しい」と言うと「こんな仕事してて優しいはないやろ」と否定してくる。天邪鬼なやつである。そして彼とのストーリーの中にはやたら「正義」という言葉が出てくる。「オレかて自分のこと正義とは思てへん」のに、最後の共闘では主人公のことを「正義の味方」と呼ぶ。その正義の味方と一緒に戦ってくれる、あなただってここでは正義の味方だろと思うのだが、多分ここがまたもやしんどいポイントであり。
カラスバは幼い頃から身寄りがなく、相棒のフシデと逃げ回って、ルールギリギリのところでフラダリから貰った資金を元手に商売をしてひとりで生きてきた。そして悪ガキを束ねていたジプソがカラスバの才能に惚れ込んでサビ組のボスになってくれと頼み込んだという設定がある。これ、全部公式からの情報。しかもカラスバは何も言わないのに、側近のジプソがペラペラと喋ってくれる。グッジョブ、ジプソ!!でも多分カラスバの人生が狂ったのはジプソのせいでもある。これが難しくて、ジプソのせいで狂ったとも言えるが、ジプソがカラスバを必要としてくれたから人生が「始まった」とも言えてしまう。
カラスバはフラダリのことを恩人としているのだが、それとは別に、フラダリが犯した5年前の罪に関しては明確に否定している描写がある。フラダリが掲げたのは選民思想であり、「フレア団以外の人間を消す」、つまり身寄りのない子どもだったカラスバ自身は、フラダリから「不要な人間判定」をされていたことになり、ますます救いようがない。多分そこでも歯車が狂った。唯一尊敬していた人間からの裏切りで、本格的に誰からも必要とされなくなった。フラダリはカラスバにとって「お天道様」だったが、太陽を失ったら闇で生きていくことしかできない。そこである意味「絶望」して割り切って、矜恃も憧れも全部捨てて街の「汚れ役」として生きていくと決めたのではないか。そうすれば「人から必要とされない」理由になるから。
どう頑張っても日向の道を歩けないと自分の人生に半分諦めの気持ちを滲ませるような発言も多いカラスバだが、多分、誰よりも「正義」に執着している。そして誰よりも誰かから必要とされたいと思っている。そういう気持ちにいつもは蓋をしてるんだろうが、それがだだ漏れな感じがものすごく人間味があって面白い。諦めと憧れが共存して葛藤してて、本当に本当に最高。
だから主人公にめちゃくちゃ重い感情を向けているんじゃないか。主人公にはフラダリと同じ視線を注いでいる。期待と羨望の眼差しを。颯爽とミアレに現れ、あれよあれよと力をつけて、きっとこれからミアレを救ってくれるであろう、太陽。それがカラスバから見た主人公の姿であり、それこそが彼が理想としていた正義のヒーローだからね。
あの時は裏切られた、フラダリに恩を返すことはできなかった、本当は自分だって「正義」でありたかった。その道を選ぶことは自分には許されない。でも、もしかしたら、次があれば。そういう気持ちもずっと持ってきたんじゃないか。
だから、あの場(式場と言っている人がたくさんいたが、あれは何なんですかね)で「正義の味方」と共闘し協力してミアレを救うことができた、その一点だけで、明日からはいつも通り日陰者として生きていかなくてはいけなくても、これからずっとあの一瞬を思い出して彼は生きていけるんじゃないか、なんて思ってしまいました。
ついでに主人公に対して最終的にはマジでマジで重い感情、というか、結局主人公のこと大好きになっちゃう、みたいな描写がある。ユカリトーナメントで、だーれも興味示してないのに、1人だけガチで主人公を応援してくれる。さらにバトルで勝つと「負けてもおもろい」みたいなことを言い出す始末。無自覚人たらし。マジで毒。
これは、置かれた状況に天と地程の差がある主人公と自分だけど、ポケモンバトルの時だけは対等でいられるからという思いなんだろうなと感じた。多分バトルを通して自分の憧れの人間とフラットな立場になれた時、自分のろくでもない人生も理想に近づいてマシになったように思えるから、だから勝ち負け関係なく主人公とのバトルが楽しいんだろうな。
裏稼業という設定的に、ずっとずっと利害関係や上下関係、損得での人間関係しか築くことができなかった人間で、本当に誰からも愛されてこなかった描写が随所に出てくるんですよね。対人間よりも対ポケモンの場合に素を出せるタイプの人間。(それはそれでめちゃくちゃ美味しい設定。ペンドラーとの絆が熱くて、ペンドラーにしか見せない表情絶対あるじゃん、と思う。)
だから、そういうのが一切ない主人公との関係性を純粋に楽しんでいるのかなと。
誰にも愛されなかった描写っていうのは、会話の中でかなり自分に言い聞かせてるんだろうなという言い方をすることが多いところからの推察です。「オレのペンドラー、ごっつ強いやろ」とか、私が1番やられたのは「オレ、意外と達筆やろ」だったんだけど、人生の中で、真に誰かから褒められたことがなかったんだろうなと想像できてしまう訳ですよ。
そしてね、多分カラスバ自身は、理想のミアレシティが実現したその日には「サビ組という組織がいらなくなる」ということを誰よりも1番よく理解している。「汚れ役が必要」ってことを言い聞かせている。そこ否定してしまうと自分の存在まで否定することになるので。
自己暗示をかけて生きていくしかなかった。本来ボスとして、というかもはや人間としてあるべき自信とか自己肯定感みたいなものがないんだけど、そうやって自己暗示かけて頑張って、自分で自分が必要だと言い聞かせて生きていくしかなかった。そういうことじゃないですかね。
だから物凄い自己矛盾みたいなのを抱えているように見える。「理想としては要らない組織」で「1番必要な存在」なのだから。纏う雰囲気の中にかなり後ろ向きというか頽廃的な部分を感じるのは、アウトローであることだけではなく多分そういう自己矛盾を抱えているところに起因してるのかなと思ったりしている。
ちょっとまた別軸の話なんですが、カラスバはある種マチエールの対極の存在でもあると思っていて。
マチエールは所謂「ストリートチルドレン」で、読み書きも出来ないギャングのボスとしてXYでは描かれていました。それが、シリーズお馴染みのハンサムという探偵に拾われて、ZAでは立派に所長として探偵業をやり、市民の皆様の生活のお手伝いをしています。
多分話を聞く限り、カラスバもストリートチルドレンの1人だと思うんですが、彼は非常に頭が良いんですよねえ。会話の中では結構難しい言葉が出てくるし、事務所にもいっぱい本がある、商才もバトルの才能もある、かなり努力できる部類の人間。会議ではかなり核心ついた発言が目立つし立ち回りも上手い。先程キャラには「一長一短」と書きましたが、カラスバに関しては「サビ組というよろしくない組織に属す」以外に大きな欠点ってないんじゃないかとずっと思っております。肩書を外したら、優しくて熱くて頼りになるお兄さん、という印象。だからこそ、マチエールとの対比が際立つのですよ。置かれた環境やまわりの仲間、手を差し伸べてくれる人や支援の形がほんの少し違えば、カラスバもマチエールのように、街を「正しいやり方」で守ることができたのかな。どれかひとつでも、少しでも歯車の形が違えば、全然違う人生を送ることができたのかもしれない。リアルだなあと思いますね。
サビ組に関して、やっぱり触れずに終わることはできないのがサブミッション101。これはサビ組の下っ端(はがね使い)と勝負して勝つと、カラスバとジプソの秘密を教えてもらえるというイベントです。「カラスバの毒は相手を魅了するが、自分自身も侵しかねない毒」「ジプソはその毒に染まらないようにはがねポケモンを見る」という話なのですが、なんじゃこれという感じですよね。
これ、最初聞いた時は、サビ組のボスとしてカラスバが暴走しないよう、ジプソが冷静を保つという意味だと思いました。これは初見の勝手な印象ですが、カラスバとグリはストッパーがいなければ「第2のF(フラダリ)」となる可能性がありそうだなと。そういう危うさがあるんじゃないかという話で、多分これは正しいんですよね。サビ組が裏で何やってるのかは知らないけれど、見た感じカラスバのワンマン経営ではありそうで、そうすると彼の采配ひとつで組織自体がどうにでも転がってしまう。仮にカラスバが本当に闇に転落してあらぬ方向に権力を行使し始めたとして、最悪、ジプソは小柄なカラスバを力ずくで(息の根を)止めることができる。
いろいろ考えているうちに、これには別パターンもあるのではないかと思ったのでその話をしましょう。なぜそう思ったかというとですね、そうは言っても、カラスバって意外と冷静沈着なタイプだし、意外と周りを見ているので、そんなに簡単に下手を打つとは思えないから。自分と仲間にとって唯一の居場所を自力で作り上げておいて、そんな馬鹿なことはしなくない?という勘です。
カラスバの抱える自己矛盾、これは結構微妙なバランスで成り立っているもので、何かの拍子に崩れた時、その矛先は周りではなく自分に向かってしまうのでは。自分で自分の首を絞めるという表現が一番近いかもしれない。これもただの推察です。仮に暴走するとして、それが周りに向かうのではなく、自分の内面に向いてしまうんじゃないかという。
というのも、前に書いた通り、自己暗示かけて自分を追い詰めて頑張る、やたら責任感強いタイプなんですよね。サビ組の「お天道様」発言の時も「オレがもっとがんばらなあかん」みたいなことずっと言ってた気がして。これ、頑張りすぎた結果、心が壊れるor全部やり切って(ミアレからサビ組が要らなくなって)自己否定、の2択になっちゃいません?彼の理想に則ると、最終的には「一番要らないのは自分自身」というところに帰結してしまうのではないかという気がしたのです。この先の話はだいぶあれなので追記に書いときます。
まあでも、そんなカラスバさんも、最後ちゃんと「生きる意味」見つけられて良かったよね。それが世間から見て良いか悪いかは置いておいて、こんな生い立ちで生きる意味見つけられただけ立派だよ、と思いました。一応セーフティネットとして機能しているんですよね、サビ組。ちゃんと「与えるもの」としてね。やっぱりカラスバが持つ善性の部分は、フラダリからもらったものなんでしょうね、そういう意味でもやはり「一長一短」なんだよなあ。
追加コンテンツに期待。なんかサビ組の事務所、公民館って呼ばれてて、動画見たらマジで公民館だった。
あ、あと、ユカリ様とカラスバが仲悪い設定、めっっっちゃくちゃ大好きです、最高。仲悪いっていうかカラスバが苦手意識持ってるだけだけど。でも、これ、ユカリトーナメントの時は「こいつ話通じないから苦手」のニュアンスだったのに、クリア後サビ組で話しかけた時のコメントから察するに「主人公を取られたら嫌だから」と思ってそうなのが良い。可愛いねカラスバさん。
…長くなりすぎたのでこの辺にしておこう。
追加コンテンツまであと5日。楽しみすぎる。本当に毎日やっています。飽きずに。
ずっと見てみたかったんですよね、ポケモンの街のリアルな姿を。本編ではどうしたってたくさんの街を巡らないといけないから、実現は難しいのはわかっていました。ひとつの街でいいから、徹底的に細部までこだわって作ってほしいと実はずっと思っていた。それが叶ったという意味でも、ZAというゲームに出会えて本当に良かった。
最高だった!と思ったからには、徹底的に遊びつくし考察しつくすのが礼儀ってもんでしょという信念から、こんな怪文書を作り上げてしまいました。ポケモンのおかげで毎日楽しいし、命を救われている。大げさではなく、本当に。
こんなに面白いゲームと出会わせてくれて、本当にありがとうございました。
(追記)
これは完全に私がただ好きな部類の話というだけなのですが、仮にミアレシティからサビ組が要らなくなったとして、どうするんだろうね、というのはずっと引っかかっています。カラスバはジプソ含め組員たちを全員ミアレできちんと再就職させた上で自分だけが責任を負う形でサビ組を解散させそうじゃないですか。知らんけど。
一度自分の居場所を作った後に失うことになるのって、居場所がないまま生きるよりも辛くないですか?それとも逆にしがらみから解放されてどこにでも行けるみたいな気持ちになるのだろうか。全然わからん。
「ミアレシティも理想通り綺麗な街になったし良かった。あと一歩やな。」みたいなこと言い出して毒呷って死ぬみたいなルートもありそうじゃないですか。ジプソが恐れている事態ってこういうことの可能性はないでしょうか。自分自身を「侵す毒」ってこういう…と思ったのですが、だいぶ飛躍している(私が好きな展開ともいう)かもしれないので追記として書いておきます。
(追記2)
私はポケモンに関しては一切ネタバレを気にしない人間なので、プレイしている人が毒沼に引きずり込まれていく様を暢気に眺めていました。まさか、あの発言もこの発言も公式がやっていたものとは露知らず。なんか主人公に大きい感情ぶつけてくるらしいし面白そうと思っていたところ、返り討ちにされて負けた気分。
個人的に一番最初に、あ、これはまずいかもと思ったのは、散々勝手に自己開示した後の「言うたら利子……めっちゃ増やすで。」でした。早い。あまりにも陥落が早すぎる。
で、その後これはダメですと思ったのは、さっきも挙げた「書いたで。オレ、意外と達筆やろ。」でした。本当に誰からも愛されてこなかったんだなと一発でわかるパンチライン。
私はチコリータを選んだので、どくタイプ相手が本当にきつく、キャラとしては大好きであるものの、相手はしたくないタイプですねえ。手持ちのバランスがとても良い。どく使いなのに状態異常系に寄らない、攻守異常を全部使いこなすオールラウンダーという感じです。手持ちポケモンは幼い頃からの相棒のフシデ(ペンドラー)を除いて、その辺で手に入れられるポケモンを進化させているというところも、キャラの生い立ちとの親和性があってすごく良い。フシデ以外全部ワイルドゾーン外にいますよね多分。
スボミーはなつき進化。言わんとしていることがわかりますかね。
そしてやっぱりギャラドスとダストダスね、フラダリを継承するもの、ですね。
どくタイプと親和性があるあくタイプを使わないところも地味にポイントが高めなのと、自滅技を使わないところに彼なりの信念があるんだろうなという印象です。ポケモン大好きなんだろうなというのがよくわかる。結局そういうキャラが一番良い。ポケモンというゲームにおいて、一番魅力的なキャラは、「自分のポケモンを愛しているキャラ」です。そういう点でいうと、今作は全員そういうタイプだったので幸せでしたね。
(追記3)
キャラにどハマりしてしまうと二次創作も見に行ってしまうタイプの人間なのですが、カラスバさんは持ち前のお喋り上手さでギャグ路線でも楽しめるし、主人公に対してバカデカ感情抱いてるからそっち路線でも面白い、めちゃくちゃ美味しいキャラですね…旬のジャンルって考えられないくらい供給多くてお祭りみたいだなあと思っております。
そこで話題になってた、イメソン(イメージソング)という話。カラスバから主人公への感情、『Pretender』(Official髭男dism)か『IRIS OUT』(米津玄師)かというのを見かけて、めちゃくちゃ笑ってしまいました。どっちも良。
正直カラスバから主人公に対する気持ちにぴったりな曲がパッと思いつかなかったのですが。(原作での心境の変化を恋心に結びつけるのはなんだかもったいない気がする、でも二次創作としてはそういうのを見たいという我儘な葛藤ですが)(逆に主人公からカラスバに対しては椎名林檎の『カプチーノ』であれ…主人公なんだから私の感情を投影させてくれ…)
カラスバ単体では[Alexandros]とかELLEGARDENがめちゃくちゃ合うなーと思っております。ちょっと尖った毒々しいサウンドの曲がぴったりな反面、『明日、また』([Alexandros])がまさにアンジュ暴走あたりの心境と合って、彼のテーマソングですね、私の中では。多分全歌詞刺さるので、カラスバさん推しの方は是非聴いてみて頂きたい。あと『Beast』も良い。いい感じに治安が悪くて、路地裏っぽい仄暗さがあるので、闇の部分にマッチしてる。
エルレは『Salamander』かなあと思っております。何も持たない人間の凶暴性みたいなところがまさに。やっぱりダークヒーローなんだよなあカラスバさんは。好き。




