エレクトリック・パブリック
/ ポルカドットスティングレイ
ポルカドットスティングレイ「エレクトリック・パブリック」MV
今年メジャーデビューを果たした、福岡発のロックバンド。
昨年『骨抜きE.P.』が話題になり、2017年は1st.ミニアルバム『大正義』、11月にはメジャーデビュー作となるフルアルバム『全知全能』をリリースしたポルカドットスティングレイ。この曲は今年発売された両方に収録されています。
今年に入ってからフェスへの出演もかなり多くなりました。
ウィスパーボイスと力強さ、両方の歌声を持つ雫さんの声が魅力的です。演奏も上手いし、正統派のギターロックバンドです。意外と他に似たようなバンドがいない。聴いた瞬間にバンド名が浮かびます。
どうしても雫さんに目がいきますが、エジマさんのギターは素晴らしいです。正面切って実力で勝負しているような、すごく味のある、そして楽曲や雫さんの歌を引き立てるギターを弾いている印象があります。
この曲は聴いていて歌詞と音楽がとてもマッチしている曲だなと思いました。歌詞も曲もリズム感がすごく良くて、聴いていて楽しく、心地良いんです。
ポルカドットスティングレイは、1度ライブで観てみるべきバンドだと思います。雫さんの声がライブではどう聴こえるのか、演奏陣の巧さなど、私はJAPAN JAMで観た時に正直驚きました。期待の遥か上でした。
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鴨川等間隔 / 岡崎体育
2017年(に限らず)、最も音楽業界を振り回している人の1人だと思います。岡崎体育。
本当に2017年、頑張ったアーティストだと思う。拍手を送りたいです。
メジャー2nd.アルバム『XXL』の発売にあたり、彼は目標を2つ掲げていました。
「オリコン週間チャート6位以内に入る」「10万枚売る」
2つ目の目標は、まだ継続しています。1つ目の目標については、「週間2位」という素晴らしい成績で達成しました。
地上波に積極的に出たり(Mステであんなに挑戦的なライブをするのは岡崎体育くらいだと思います。)、自らTwitterで発信し宣伝したり、とにかくセルフプロデュースが上手いんです。SNSを多用し、今の時代に合った宣伝の仕方をしています。エゴサーチをかけて「買うか買わないか微妙なラインにいる人」に片っ端からいいねしたり、SNSで拡散されそうな話題性を持った曲・MVを作ったり。SNSで感じる近さ故に、またさらに応援したくなってしまうんです。岡崎体育の「商才」は「天才」だと思います。
今年岡崎体育の曲は所謂「バズ」続きでした。メロコアのイケてる曲かと思いきやサビで裏切られる『感情のピクセル』、日本語をあたかも英語のように発音し歌う『Natural Lips』。この2曲はもう、めちゃくちゃバズりました。Twitterのトレンドで1位を取るくらい。その一方で、同じく『XXL』に収録されたバラード『式』も100万回再生をゆうに超えています。ただバズるだけ・一過性の話題を生み出すだけでなく、きちんと音楽の幅もファンの幅も広げ、増やしています。
今回私が個人的に選んだのは『鴨川等間隔』という曲で、「散々他の曲を紹介してきてなんでまたこれ?」と思われるかもしれません。この『鴨川等間隔』は『XXL』には収録されていますが、作られたのはもっと前です。MVもずっと昔に撮られたものですし『XXL』とこのMVの音源は少し異なります。今の方が洗練されています。
でも、この曲を『XXL』に入れた彼の決断、私は本当に素晴らしいと思います。本人も言っています、「メジャー2枚目という勝負のアルバムを、最高のものにしたかった」。今後もっと売れるかどうかはわからないけれど、この1枚を1番いいものにしたい。
『鴨川等間隔』は、ちょっとゆったりしたミドルテンポの曲です。彼の地元京都の景色や生活を歌ったもの…と言えば聞こえがいいですが、「河川敷に座るカップルを蹴り落としたい」とかそんな感じ…なんとも岡崎体育。…「生活感溢れた歌詞」と言えば良いですかね。とにかく曲はものすごく良いのでぜひ聴いてみて下さい!!(でもこのちぐはぐさが魅力な気もします。)
岡崎体育にとって、この曲はすごく大切な曲なんだと思います。(多分ファンからも人気のある曲だと思います。)それで、メジャーアルバムにはまだ入れていなかったこの曲を、敢えて、『XXL』に入れたんです。良い曲だから、最高のアルバムにふさわしいと。
「『鴨川等間隔』が大切な曲」だということ、それはライブを観に行った時にも感じました。アンコールの曲だったのですが、その前のMCで彼はこう口にしました。
「最後、6分間、歌います!俺全然歌うまくないけど、最後、歌います!」
Mステでも散々口パクをネタにしているし、アルバム1曲目の『XXL』で「さいたまスーパーアリーナで口パクやってやる」と宣言しているあの岡崎体育が、歌った。それまで笑い通しのライブでしたが、じんときました。ちゃんと歌ってました。
『XXL』というアルバム自体ものすごく良いアルバムで、多くの人に受け入れられる要素、バズる要素があったのは事実ですし、セルフプロデュース能力や話題作りの点も含めて岡崎体育というアーティストは素晴らしい力を持っていると思います。でも、真摯に音楽に向き合う姿勢があってこそだということを伝えたい。本当に応援したいアーティストです。
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岡崎体育について語りすぎたので今日はもうアンケートコーナー行っちゃいますね!
今日はずーっとスペースシャワーのスピッツDAY(スピッツ特番8時間)を見ていたので、スピッツについての回答を取り上げます!
①今年響いた曲やアルバム
②①のアーティスト名
③どんなところが響きましたか?好きなところ、良いところを教えてください。
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若葉 / スピッツ
メロディーも歌詞もすべてにおいて心に響きます。歌いながら涙が出てくるほど。
『とげまる』に収録されている名曲。余談ですが『とげまる』は全部名曲です。『若葉』は一般的な括りで言えば「卒業や別れの歌」の区分ですかね…。
アコースティックギターの旋律の美しさと素朴さが胸を打ちます。1番は音数が少なくて、草野さんのやわらかい声が際立ちます。どこまでも優しさに包まれた曲です。
スピッツの歌詞は非常に独特で、どこまで意味があるのか、どういう意味なのか、なかなか掴めないことが多々あります。そんな言葉が並んだ中に、突然ハッと我に返るような、ぐさりと刺さる言葉があるんです。
「暖めるための火を絶やさないように 大事なものまで燃やすところだった」
個人的にはこういう歌詞が刺さります。あと、
「泣きたいほど懐しいけど ひとまずカギをかけて
少しでも近くよ バカげた夢に
今君の知らない道を歩き始める」
という最後の歌詞。同じアルバムに入っている『君は太陽』の「理想の世界じゃないけど 大丈夫そうなんで」と同率で私が最も大切にしている歌詞です。泣きたくなりますよね、こういう歌詞。卒業とか別れの曲だけど、ただそれを歌うのではなく、前を向こうとする姿勢、でもそれすらもなんとなくひねくれていて人間味が溢れている。そういうところが琴線に触れるのだと思います。
私はこの曲が発表された時中学生で、もう既にスピッツが好きだったのですが、正直「良い曲。優しくてあったかい曲。」程度の感想しか持っていませんでした。いろんな人と出会い、別れ、歳を重ねてこそ沁みる曲なんでしょうね。今では大好きな1曲です。